第16章 酷い夜だからこそ
「あーお腹いっぱい!ありがとうねリン」
「いーえ!こちらこそ美味しい蟹ごちそうさまです」
二人で食器を片付けていると、時計が目に入る。もう3時過ぎか…
「そういえば僕観たい映画あるんだけど、一緒に観ない?」
お皿を食洗機に入れながら悟が聞いてくる。
「うん、観よっかな」
こんな日は部屋で一人でいたって寝れるわけがないんだから、映画でも観て気を紛らわせた方が良いのかもしれない。
「さすがリンちゃん、ノリ良いねっ」
「でも悟は寝なくて平気なの?疲れてるでしょ?」
私は眠たくないけど、悟は寝なくて平気なんだろうか。
「平気平気!僕もともと睡眠短いんだよね、ショートスリーパーってやつ」
「そういえば学生の時から、よく寝ないでゲームとかしてたもんね」
「あぁ、そんな事もあったね!」
片付けが終わると、持ってきたジュースとお菓子を持ってソファーへと座る。その私の隣ではご飯を食べたばかりだというのにすでにチョコアイスを咥えながらリモコンを操作している悟。
細身なのに意外と学生時代からよく食べるんだよね、やっぱり身長大きいから栄養そっちに持っていかれるのかな。