第15章 母校と同期
「…のど…渇いた…」
喉の渇きを覚え目を覚ます。重たい身体をゆっくり起こそうとして気がつく違和感。
何だかこんな事…以前にもあった気がする…
私の身体にかかる、微かな重み。
背中に伝う温かい何か…
私はゆっくりと寝転ぶ自分の後ろへと視線を移した…
「………………」
あの時ほど動揺しないのは、大人になったからだろうか。
それとも2回目だからだろうか…
私の目線の先には、白のTシャツにグレーのスウェットを履いた悟が、私を後ろから抱き締めるようにして眠っていた。
その瞳は閉じられ、白く透き通った長いまつ毛が影を落としている。
えっと…なんでこんなことに…
半身を起こそうと身体を動かした瞬間、強く脳内に響く頭痛。
「……っい、たぁ…」
信じられないほどの頭痛が私を襲う。何これ頭痛すぎる。これはどう考えても二日酔いだ…私昨日そんなに飲んでたっけ…
頭を抱えうずくまる私の後ろから「ん〜、何…もう朝…」と悟の寝ぼけた声が聞こえてくる。
「…どうしたの…リン」
そして悟は、目の前でうずくまり寝転ぶ私に気が付いたのか綺麗な碧色の瞳を細め眠そうに聞いて来た。
「頭…痛いぃ…」
というか、やっぱり悟はこの状況に何のリアクションもないんだ。もうデジャブすぎて…何で自分が抱きしめられて寝ていたのかどうでも良くなってくる。
それに、悟からしたら取るに足らない事なのかもしれない。
「リン昨日酷かったもんね」
「え…嘘、記憶にない」
「マジ?」
「うん…マジです…ごめんなさい」
あくびをしながら起き上がった悟は、サイドテーブルに置いてあったお水を私へと手渡す。
というかここ…私の部屋に似ているけど、シーツの色や置いてあるモノが微妙に違う。
「ここ、悟の部屋…?」
「そう、僕の部屋」
「何故こんなことに…」
「本当に覚えてないんだね、僕達昨日あんなに…」と意味深な所で言葉を止める悟。
私はそんな悟をギョッと見つめたあと。え、何…もしかして…え…そんなわけないよね…被っていた布団をめくるとパッと自分の服を確認する。
良かった…服着てる…