第15章 母校と同期
リンをタクシーへと乗せて、途中のコンビニでスポーツドリンクやゼリーなんかを買う。
マンション前に着いてもまだ起きないリンを再び抱えると、エレベーターへと乗った。
その浮遊感に目が覚めたのか、エレベーターの電気の明るさのせいか、うっすらと目を開けたリン。
「あれー?さとるぅー…」
まだ頭がぼーっとしているのか、ぽやぽやとした表情で僕を見上げる。
「やっと起きた、もうマンション付いたよ」
エレベーターが止まり、外へ出た瞬間「うぅ…何か気持ち悪い…」と小さく呟く声が聞こえてくる。
「は?嘘だろ?ちょっと待て、もう家着くから!」
「うぅー、さとるぅ…お水ー……」
「水!?それよりトイレ先だろ!つーか鍵どこだよ」
うずくまるリンを早足で抱えながら歩くものの、リンは部屋の鍵を出す気配はなく。慌てて自分の部屋の鍵をポケットから取り出すと玄関のドアを急いで開けた。
慌ててトイレへと連れて行くものの「うぅ、吐けない〜…それより寝転がってお水飲みたぃ…」と言うリンをリビングへと連れて行きソファーへ寝せると水を手渡した。
水をこくこくと数口飲んだ後「ありがとぉ…」と小さく呟いたリンは再びソファーへと身体を沈める。
「大丈夫?」
「んー…へ…きぃー」
「全然平気じゃなさそうだね」