第15章 母校と同期
「あーあー、それにしてもすっかり酔っ払っちゃって」
焼き鳥を咥えながらリンを見下ろす硝子は、まるでこうなる事が分かっていたみたいに小さく笑っている。
「はぁー、どうすんだよこれ」
僕は、僕の足を膝枕にして寝るリンの寝顔を見下ろした。
「お持ち帰りしたら?」
「は?冗談でしょ」
「てっきり喜ぶかと思ったけどな、好きな女が酔っ払ってるんだぞ?チャンスじゃないか」
「いや…その辺の使い捨てみたいな女ならまだしも。酔い潰れた好きな女襲う奴がどこにいるんだよ、しかもお持ち帰りって…そんな事したら僕本当にシャレになんないから」
「はあぁー」とと大きなため息を吐き出すと、ポケットに入れていたサングラスをかけた。
「あのクズ五条も、本命の前では小心者ですか。さっさと自分のモノにしたら良いものを、そんなんだとまた誰かに持っていかれるぞ」
焼き鳥の串を加えた硝子は楽しそうに笑う。
「そんなの、僕が一番分かってんだよ…」
と呟くと、気持ち良さそうに眠るリンの頬にそっと触れた。
「まぁ自分の家の隣わざわざ購入してまで、リンを住まわせてる時点で相当ヤバイけどな」
「うるさい、リンには絶対に言うなよ」
「わかってるよ、私だってまだ死にたくないからな」