第15章 母校と同期
「いや、平気。速攻で任務片付けてくるから」
「いつもそのくらいのやる気を出せば良いものを」
硝子は呆れたようにため息を吐き出したあと「それじゃあ場所は追って連絡するよ」と言って部屋を出て行く私達へ手を振った。
私の今日の任務は至って楽ちんで、二級呪霊数体の任務だけだった。
移動含め数時間で終わり、一度家に帰ってから硝子と悟と待ち合わせしている店へ向かう。
お店に着くと、そこは少しお高そうな高級感の溢れる焼き鳥屋さんで。名前を告げると個室へと案内された。
「硝子先にきてたんだね!お待たせ」
「私もさっき来たところだよ」
硝子はメニュー表を私に手渡すと「どうせ五条は遅れて来るだろうから先に頼もう」と言って注文を決めて行く。
「んー、じゃあ私はハイボールかなぁ。あとこのおすすめ盛り合わせが良いね!」
硝子は店員さんを呼ぶと、いくつかのメニューと日本酒を頼んていく。
「悪いね〜遅くなった!おじいちゃん達に呼び出されちゃってさー」
店員さんの後ろからヒョイっと顔を出した悟は「あ、僕カルピスで」と言うと、そのまま私の隣へと座る。
そんな悟を店員さんは驚いたような表情で見つめたあと、すぐにパッと顔をそらした。まぁこの長身で謎の目隠ししてたら誰だってやっぱり怪しむよね。
「今日は僕の奢りだからね、いっぱい頼んで良いよ〜」
頬杖をつきながらニッと歯を見せる悟。
「え?良いの?やったー!本当に遠慮なく頼むよ?」
「どーぞどーぞ、リンのお帰り会だからねー」
「五条の奢りなら私も飲みまくるとするかな。そのかわりリンの事は頼んだ」
「頼むって何が?」
硝子の言葉に悟が首を傾げる。
「まぁ見てれば分かるよ」そう硝子が言ったところで、お酒とお料理たちが次から次へと運び込まれてきた。