第13章 東京都立呪術高等専門学校
「リンは明日から海外かぁ」
「うんそうだね、二人に会えなくなるの寂しいな」
私を寂しそうに見つめてくる硝子へ後ろからぎゅっと抱き付く。
私は、明日から海外を拠点に任務活動していくことになっている。
正直言って何年後に帰って来れるかも分からない。
夜蛾先生の勧めで私へと話が来たこの任務。
正直言って初めは迷った。英語すら話せない私が…呪術師になったばかりで海外でやっていけるのか…
だけど、未だに七海君を忘れられていない私は…この半年間ただひたすらに苦しみ続けた。
このまま海外に行けば、高専にいるより術師としても…人としても成長するキッカケになるんじゃないだろうか。いつまでも、彼の背中を追いかけていたらダメだよね…そう思い
結局はそんな情けない理由で海外行きを決めたのだ。
「二人とも遊びに来てね!!」
「もちろん行くよ、観光名所案内出来るようにしといてよ」
笑いながら言ってくれる硝子とは違い、悟は冷静に私を見下ろしたあと
「行けたらいくよ」
とそう小さく呟いた。