第10章 雪の夜
リンの方へと横向きに寝転び、目の前の寝顔を見つめる。
すると何かを感じとったのか、まるで暖でも取るようにしてリンは俺へと擦り寄ると、身体をピッタリとくっ付けた。
「……っ…」
俺はその小さい背中へそっと腕を回すと、優しく包み込むようにしてギュッと抱きしめる。
ずっとこうしたかった。
ずっとコイツの隣にいたかった。
ずっとこうして抱きしめたかった。
優しい温もりも、甘い香りも、小さなこの身体も。
……俺のなら良いのに…
……俺だけのリンならいいのに…
だから今だけは。
どうか今だけは。
俺の隣にいてくれ。
俺に抱きしめさせてくれ。
「……好きだ…」
再び、そっと優しく…まるでガラスに触れるようにしてリンを抱きしめると、俺はそのままゆっくりと瞳を閉じた。