第9章 少しの変化
二人で他愛もない話をしたりテレビを見ているとあっという間に時間は過ぎ去り。
「そろそろ寝る?」
時間は0時前になっていた。
「え?もうこんな時間かぁ」
「リンさん19時まで寝てたけど寝れる?」
「んー、ベッドに入っちゃえば寝れると思う」
七海君はベッドへと先に上がると、布団をめくり片手を広げ「どうぞ」と言って私を布団の中へと招き入れる。
私はそんな彼の元へ行くと、寝転ぶ七海君に寄り添うようにして布団へ潜り込んだ。
「七海君暑くない?」
「平気」
寄り添う私を、ギュッと抱きしめてくれる七海君。
彼の心音が…体温が…とても心地よい。
「はぁ…幸せだなぁ」
思わず呼吸するようにして私の口から出た言葉に、目の前の七海君は「ふっ」と小さく笑った後。
「好きだよ」と言って私に優しく口付けを落とした。
私は、それに答えるようにして彼の首へと腕を回すとゆっくりと互いの唇が開き熱い舌が口内へと入ってくる。
くちゅくちゅと小さな水音が立つと、ツーっと銀の糸が互いを繋ぎ。そして呼吸を吐き出す。
「はぁはぁっ」と荒くなっていく呼吸に合わせるようにして、七海君の首へ回していた腕の力が無意識に強くなる。
「んっ…ハァ…ッ」
「リンさん…あんまりエロい声…出さないで、我慢出来なくなる」
呼吸と呼吸の合間で、熱のこもった瞳で私を見つめる七海君がそんな事を言ってくる。
「…がま…ん?どうして我慢するの…?」
唇を離し肩で小さく息をしながら、トロンっとした瞳で彼を見ると「さっきまで入院してた人に手は出せないでしょ」と困ったように笑う。