第9章 少しの変化
綺麗に鍛え上げられた筋肉は、何度見ても慣れないし直視できない。
私は一体いつになったら七海君の色っぽさになれるんだろうか。
七海君は置いてあったタオルで再び髪を拭くと、白いTシャツを着て。ベッドに背を向け床へ座っていた私の隣に腰かける。
「はぁ」と小さな溜息を吐き出す彼は、少しお疲れなようだ。
「今日の任務大変だった?」
首を傾け七海君を見上げると、七海君は私の肩をグイっと引き寄せ私へコテンと寄りかかった。
「疲れた、けど今癒されてるから平気」
その言葉に、思わずドキンっと心臓が跳ねる。私って…七海君の事癒せてるんだ。嬉しいな。
「私もいつも七海君に癒されてるよ」
七海君の背中へと片手を回しギュッと引っ付くと、優しく私を見つめてくれる。
あぁ、私は七海君のこの顔がとっても好きだ。
優しくて、温かい…この笑顔が大好きだ。
ずっと七海君のそばに居たい。ずっとずっと彼の隣にいたい。
「明日の任務は午後からだから朝ゆっくり出来る」
「本当?嬉しい、じゃあ朝一緒にゴロゴロできるね」
いつもどちらかが早朝任務だったり訓練だったりが入っていて、基本お泊まりしても慌ただしい事が多いけど、明日は二人でまったり出来るなんて。
二日も何しようかと思ってたけど、今日はこうやって七海君のお部屋にお泊まりして明日も午前中は一緒にいられるなんてとっても貴重だ。