第9章 少しの変化
「あ、そうだ!お風呂入ってから行くよ」
「……一緒に入る?」
七海君と手を繋ぎ部屋を出ようとした所で、ふと思い出し足を止めると、七海君が私の方へと振り返ってそんな事を言う。
「え、えぇ!無理だよ!恥ずかしぃ」
顔を真っ赤にしてブンブンと首を振れば「焦りすぎ」と七海君にクスリと笑われてさらに顔が赤くなった。
「お風呂入ったらすぐ行くから部屋で待ってて!」
未だに真っ赤な顔を隠すようにして七海君の背中をグイグイと押し部屋から出すと、七海君はやっぱりまたクスクスと楽しそうに笑って目を細めた後。
「じゃあ部屋で待ってるから」
と言って私の頭にポンっと一度手を置き、笑顔で廊下を歩いて行った。
うぅ…七海君の無防備な笑顔…カッコ良すぎるよ…
私は真っ赤になった顔を洗い流すようにして急いでシャワーを浴びると、お気に入りの部屋着に着替えて急いで七海君の部屋へと向かった。
何度も来たことのある彼の部屋をコンコンっとノックすると、七海君もシャワーを浴びていたのか、黒のスウェットに上半身は裸で髪はまだ濡れている。
「早かったね、どうぞ」
ドアを大きく開けて私を招き入れてくれる七海君だけど、とにかく色気が凄い…女の私なんかよりよっぽど彼の方が色っぽい気がする…