第9章 少しの変化
携帯を開くと、画面には七海君からの着信はもちろん硝子や悟、傑からもメッセージや着信がきている。
わぁ、どうしよう!皆んな心配してるよこれ!
「七海君ごめんね!ちょっと皆んなにメール返す!」
「どうぞ」
カコカコと急いで携帯を操作して三人にそれぞれメッセージを打ち込んで送った後、隣の七海君へと向き直った。
「終わった?」
「うん!三人とも私が音信不通でめっちゃ怒ってたよ」
「だろうね、先輩達が怒ってるの想像出来る」
「…………」
真顔で答える七海君も、音信不通だった私に少なからず怒っている様子だ。
「休みの二日間、心配だから部屋泊まってほしい」
「え…?七海君の部屋?」
「そう、また音信不通になったら困るし」
「でも私、もう元気だよ?」
腕をぐるぐると回しながら元気アピールをすると、七海君は呆れたようにため息を吐き出したあと、私を見下ろす。
「それでも心配なんだ。だから泊まって」
二日前の七海君の表情を思い出す。そうだ、私は彼に酷いほど心配をかけた…きっと今だって…私が元気だと言っても不安なのかもしれない。
私は「じゃあ七海君の部屋泊まらせてもらうね!」とニコリと微笑むと、七海君は私の手を握って立ち上がった。