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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第9章 少しの変化



「そういえば、そろそろ七海も来るはず」と傑が言いかけた所で、ガラッと再び勢いよく病室のドアが開く音が室内に響き渡る。



そちらを見れば、そこには汗を流し息を切らしている七海君の姿。


その彼の姿は、普段の彼からは想像も出来ないほど焦って来た事がよく分かる。


七海君は入り口付近で息を整えると、ゆっくりと病室内へと入り私の目の前で足を止めた。


その瞬間、私の目からは涙が溢れ出そうになる。




何故ならそれは…




目の前に立ち、私を見下ろす七海君が……





今にも泣き出しそうな顔をしていたからだ。






彼は震える手で私の左頬へと触れると。



掠れる声で、小さく私の名前を読んだ。




「…リンさん…良かった…」




七海君の大きく温かな腕は、私をすっぽりと包み込み、私はそんな震える七海君の背中をこれでもかというほど力強く抱きしめた。




後ろからは病室のドアが閉まる音がする。きっと硝子達が出て行ったのだろう。




「七海君…心配かけて…ごめんね」



「この三日間…生きた心地がしなかった」



「ごめん…」



「大切な人も呪術師だと…こんな思いをきっと、これから何度もしないといけないんだって今更痛感した…」




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