第9章 少しの変化
「天内は死んだ」
その悟の言葉に「何で…」思わずそう出そうになった言葉を飲み込む。
理子ちゃん…
あの後どんな状況になったのか…何故理子ちゃんは…そうは思うものの。私はそれを悟に言う事はなかった。
きっと悟はこれ以上の事を私に話すつもりはないし。私もそれを聞く必要はないと判断したからだ。
それが例え。
仲間が亡くなったとしても、家族が亡くなったとしても、友人が亡くなったとしても。
大切な人を失ったとしてもだ……
私達はまた次の日には、ウジのように湧き出る大量の呪いを祓わないといけない。
呪術師とはそういう仕事だ。
呪いに関わるというのは…そういう事だからだ。