• テキストサイズ

【進撃】anemone

第1章 ハーデンベルギア


日が高くなって部屋に入る光も多くなってきた中、手元にある書類を見るとそこには次の壁外調査時の医療体制に関する資料が複数。作成者はモネ・アネリア。

俺があいつを泣かせてからしばらくが過ぎた。

あの時は泣いたあいつが意外だった。が、別に泣かせるような言動をしたことに後悔はしていなかった。俺はあくまで監視しなくてはいけなかったし、それは今でも関係なく続いていることだ。「他の世界から来た」なんて戯言を信じるのはハンジだけで十分だ。

そんなことを考えながらも目を通す書類に不備はなく、最初は読めない書けないと言っていた文字もすっかり様になっているようだ。文章力も問題なく、元々の能力の高さが垣間見える。

・・・

当初の予定通り医者として雇うとエルヴィンが告げたとき、納得したかどうかは知らんが選択肢のないモネは頷いてそれに承諾した。そして平時では医務室で兵士の治療にあたっている訳だが、これがどうにも評判がいいらしい。

廊下ですれ違えば誰かに声をかけたりかけられたりしている姿をよく見る。看護師とはよく意見交換をしているようだし、元々居た医者に「女の動きはどうか」と問えば「彼女の医療知識には驚かされますよ!」と言う答えをもらった。
怪しい動きはないかどうかを問うたつもりだったが、そんな見張りの意味があることすら忘れてしまう程ここの生活に馴染んでいるようだった。

そして気が付けば、その医療知識を生かすためにたまに俺達の会議に顔を出すようになった。
エルヴィンとしては使えるものは存分に使おうということだと思うし、ハンジにすれば新しい知識を取り入れる機会として興味があるようにしか見えなかったが。

そしてその時出た案はあとで書類にまとめ、俺に提出して不備がなければエルヴィンに回る。その書類を今見ていた。

トントン

誰かがドアを叩いた。

「入れ」

書類から目を離してドアに目をやれば、特に躊躇もないように開かれて白衣を着た女が入ってくる。

「書類見てくれた?それで良いかな?」

「問題ない。これでエルヴィンに出してくれ」

「了解。ありがと」

書類を持って部屋を出ていくモネを見送る。
黒髪にあたる陽がやたら反射して光っていて、今日はそんなに天気が良かったかと思って窓を見た。

別にいつも通りじゃねぇか。
/ 9ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp