第5章 ★ベッドの上のお手伝い
「千愛さん、相手は百戦錬磨の五条さんですよ。絵に描いたような軽薄が見え隠れする男を信じて、体を差し出してどういうおつもりですか」
ナナミンがお説教してくる。あぁ見ないで、そんな軽蔑の目で、はしたない私を見ないで……。ただ、五条先生がすごくイイの……。
「あなたはもう立派な五条さんのセフレです」
「せ、ふ、れ、ぇ!? でも……先生はさっき私のこと好きって」
「それはloveではなく、likeでしょう。犬が好きとかアイスクリームが好きとかそういう次元です」
そんなって思うけど、それは至極正論だ。納得せざるを得ない。出会って2日。私のことを恋愛的な意味で好きなわけがない。
「でもナナミン、これは一回こっきりだから。溜まりに溜まったものを出しただけ。次はもう普通の量だろうしやらない」
「獄門疆のことですか?」
「うん、そう」
「残念です……」
「何が? 一回でもシちゃったこと?」
「いえ、千愛さんの呪術廻戦の読み込みの甘さに失望したと言っているのです」
「ん?」
「獄門疆というのは、物理的時間が止まっているという説明書きがあったでしょう」
原作の記憶を手繰り寄せる。……確かに! 五条先生自らが獄門疆の中でそう呟いてた。