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【呪術廻戦】獄門疆から君のもとへ〜五条悟〜

第18章 for the future


 本当は"生きて帰ってきてね"って言おうと思ったけど生死に関わる言葉を口に出したら、悪いものが寄ってきそうで言えなかった。

 代わりにどうか死なないでと願いをこめて強く抱きしめる。

 気付くと悟も同じくらいの力で抱きしめ返してくれていた。

 しばらくそうした後、悟は体を離してもう一度、私の目を見て笑いかけた。

「ある女の子と約束したんだよね……。その子は七海の次に僕を推してた僕のファンでさ。世話になったお礼は何がいいって聞いたら『絶対に死なないで』って言ったの。だから僕は彼女との約束を守らないといけない」

「それって……泣かせないで」

「そういうことだから大丈夫。それにやっと万愛と結婚できたのに死んでたまるか。新婚生活邪魔すんなってーの」
 
 宿儺への当てつけみたいに、むすっと不機嫌そうな顔を作って言う。悟が言葉を続けた。
 
「僕はうずうずしてんだよ。ずっと獄門疆の中で手ぐすねを引いて待ってたからね。ひとり置いてかれんのはごめんだよ」

「そうだったね」

「僕を信じて待ってて。必ず勝負に勝ってここに戻ってくる」

 私は静かに首を縦に振った。悟の言葉を噛み締める。


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