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【呪術廻戦】獄門疆から君のもとへ〜五条悟〜

第17章 帰還


 二人はずっと笑って手を振って私を見送っていた。
 
 私がここでスミレさんやボブに出来ることは――。思いっきり肺に空気を入れて叫んだ。

「ママ、パパ!! 愛してる。ありがとう……私をこの世界で守ってくれて」

 声は届いただろうか? もう両親の姿は霞んでいたが、二人の口角が少し上がったように見えた。

 そして次の瞬間、今までとは桁違いの強力な術式が発動したのが分かった。

 コントロールするために掌印を結ぶと、赤い光が私の頭をぐるりと包む。

 悟の愛と両親の愛が二重の輪になって、大量の呪力のインプットとアウトプットがほぼ同時に起きた。

 "ゴゴゴゴゴッ"

 けたたましい地響きとともに、岩盤状の塊が爆風で木っ端微塵に弾き飛ばされ更地になっていく。道が出来る。

 呪力が脳に入り込み、強烈な圧迫を感じたけれど私は足を止めることなく進み続けた。

 愛する人のいる世界に向かって、ただまっすぐ。



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