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【呪術廻戦】獄門疆から君のもとへ〜五条悟〜

第17章 帰還


「ジョーと幸せにね。ずっと彼の手を包んであげるのよ! その前にジョーがあなたの手を掴んで離さないと思うけど」

 ボブが隣で大きく首を縦に振る。――ちょっと待って。私の深い深いところから何かが浮き上がってくるような感じがした。
 
「……っ!」

 頭に激痛が走る。こめかみを貫通するような痛みだ。視界が真っ暗になった。

 これは悟が私と再会して愛を伝えてくれた時と同じ症状だ。まだ私の中に封じ込められていた記憶があった?

 呪力で何重にもまとって大切に保管していた記憶――。もう少しでわかりそうな気がする。もう少しで。

 くるっと体を回転させられ、トンっと再び背中を押された。

 ふらついたまま、足が玉の結界に入り込む。待って、私まだここにいたい。

 目を思いっきり開いて、視野を明るくしてバランスを取ろうとしたけれど、体がよろめいた。腕を伸ばしたけれど、スミレさんもボブもその手を掴んでくれようとはしない。


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