第15章 ★止まらない熱情
「明日はゆっくり休まないとね」
「だめだめ。シフト人数が少ないから、絶対仕事に行かなきゃ。穴を開けれない」
「……この世界でそんな真面目に仕事してどうすんの」
「お金貯めなきゃ」
そう言ってハッと口に手を当てた。まだ、千愛の感覚が残っていて抜けない。
「お金の心配はいらないでしょ。僕のお嫁さんになるんだから」
「でもまだ戻る方法が分からないし、それまではこの世界でお金がいるでしょ」
「貯金崩せば?」
「……だね」
何をコツコツ節約しているんだろうと、自分でも可笑しくなる。
「何よりさぁ、ここに僕の赤ちゃんがいるかもしれないじゃん? 大事にしなきゃ」
悟が私のお腹に手を置いた。
「もぉ……気が早い」
お気楽というか能天気というのか、悟は相変わらずマイペースだ。