第15章 ★止まらない熱情
初めて悟がクローゼットに現れた時も私は獄門疆から出てきてと強く願った。彼も私に会いたいと思ってくれていたのだろう。
悟と私が恋に落ちて、赤い光が現れたのも、今、思いが通じ合って結界が見えているのも、全て辻褄が合う。
「悟……私を万愛だと見抜いて千愛を愛してくれてありがと」
「それはお互い様。君も僕をキャラとしてじゃなく一人の男として愛してくれたんでしょ」
「うん」
見つめ合って優しくキスを交わす。
だけど獄門疆の謎が解明したところで、肝心の問題は解決していない。私はこのままだと、悟と同じ二次元の世界に戻れない。
薄暗いクローゼットの奥の赤い光を見つめていると肩をトンと叩かれた。
「とりあえず風呂でも入らない? こん詰めすぎはよくないよ」
「……うん、ありがとう」
気を利かせてお風呂を沸かしてくれたみたいだ。悟にしてはなかなかの気遣いだ。彼に手をひかれてお風呂場へと向かった。