第15章 ★止まらない熱情
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どのくらい時間が経っただろうか……。
ベッドの周りには悟のシャツと脱がされたウェディングドレスが散乱していて、私はキャミソールにショーツ、悟は上半身裸体という姿でベッドの上で絡み合っていた。
「あっ……だめ、んんっ! あぁッ!!」
「ダメじゃなくて、だーい好きでしょ」
「んぅ……あッ!」
身体中に唇を這わされて、時折じゅっと強く吸われる。
首に、肩に、背中に、二の腕に、胸元に、太腿の内側に――紅い花びらのような痕が散らばっていた。
特に首筋から鎖骨あたりに、数え切れないほどの赤い花が咲いている。
「悟……さすがにやりすぎじゃ」
「これでも加減してるつもりだけどね」
「これで?」
「僕のものって印だよ。他の男にも分かるようにたっぷり付けとかないとね」
「誰も私のことそんな目で見てないから」
「ほんと? 僕がいない間に告られたりしてない?」
一瞬ギクっとした。オーナーの顔が頭に浮かんだ。が、彼との関係は特に進展していない。
それに今はっきりと自覚した。私はオーナーに恋愛感情を持ち合わせていない事を。
この世界を去る前に交際の申し出はきちんとお断りしておこうと思う。