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【呪術廻戦】獄門疆から君のもとへ〜五条悟〜

第15章 ★止まらない熱情


 何度も唇を啄まれ、その度にピリッとした痛みがこめかみに走り、膨大な情報量が頭の中に流れ込んでくる。

 それはこれまで欠落していた記憶や、植え付けられていた記憶の数々だった。次々と脳裏に浮かんでは正しいものに書き換えられていく。
 
 完全に失った記憶もあるけれど、それでも私が生きてきた軌跡を知るには十分だった。唇が離れた隙に告げる。

「やっぱり悟の言ったとおり、あなたに触れて、私、万愛を取り戻してきてる」

「読みどおり、ってわけね」

「うん。私を助けてくれてありがと……小さい時から悟はいつもこうだったな」

 目を細めて悟を見つめれば、彼もまた懐かしそうに瞳を和らげる。
 
「でも僕の愛は、まだまだこんなもんじゃないよ」

「ん?」

「もーっとわからせてあげる。……二度と君がこんな無謀な隠れんぼをしないように」
 
 悪戯っぽく微笑むと、悟は私のうなじに強く吸い付いた。三角形のほくろの場所だ。

 よくお仕置きと称してここにキスマークをつけられたような気がする。チクリと走る小さな痛みに眉根を寄せながらも、私は甘んじてそれを受け入れる。

 
 そして再び、激しい嵐のようなキスへと溺れていった。



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