第14章 再会
ふいにジャンプの五条先生のセリフを思い出した。
じゃ、あれはやっぱり私に向けて言ったの?
嬉しさが込み上げてくるのと同時に、苦しい気持ちも胸を締め付けた。
「でも私と五条先生は三次元と二次元だから」
「だから何」
「結婚なんて……無理だよ」
ぎゅっとドレスの端を握りしめる。私たちの関係はどんなに思い合っても漫画のキャラクターと読者に過ぎない。
鏡に映った自分と五条先生との間に境界線が見えたような気がして、涙が出そうになるのを必死に堪えた。
だけど五条先生はいつもと変わらず余裕たっぷりで、耳たぶに触れそうな距離まで唇を寄せてきたかと思うと、甘い声で囁いた。
「じゃ既成事実作っちゃう? 僕の子供とか」
「…………はァ?」
ベッドの上に優しく降ろされた次の瞬間、五条先生が覆い被さってきた。組み敷かれて長い腕に閉じこめられる。
ドレスを割って脚の間に身体を入れられたもんだから身動きが取れない。