第4章 隠し味
本題はここからだ。本日の私のミッション――それは五条先生の着替えと日用品を揃えること!
五条先生のことだから、ちゃちゃっと獄門疆の謎を解いて、すぐ元の世界に戻るのかもしれない。それでも今、制服一着しかないっていうのは衛生面で不安だ。着替えがあれば先生も安心だろう。
お昼休憩の間に、私は五条先生の洋服を買い求めようと、職場の近くのファッションビルに足を運んだ。メンズアパレルのお店が複数入っている六階建の建物だ。
私はとても安易に考えていた。ユニクロとかGAPとか無印とかそのあたりのファストファッションブランドに立ち寄れば、簡単に服が手に入るだろうと。
ところが、実際それらの店を回ってみると、190センチ以上の服って全くといっていいほど売られていない。効率よく時間を使いたくて店員さんに直接尋ねてみる。
「あの、190センチのトップスってありますか」
「申し訳ありません。当店には置いてないですね」
こんな会話を繰り返して店を出る。あるのは175ー185センチまでで、それ以上大きなサイズとなると首を横に振られる。
じゃあズボンだけでもと思ったけど、五条先生のウエストサイズがわからず、こちらも苦戦。腰回りを気にせず履けそうなスウェットやジョガーパンツを見るけど190センチの足の長さに合いそうな丈がない。