第4章 隠し味
なので文句を言うべきではない事は重々に承知している。だけど、だけどですよ。あえてひとつ不満を言わせて頂くとしたら……。
給料安ーい。
あるあるな話だ。準社員も正社員も仕事の違いはほとんどないのに年収が数十万違う。
もし既往症が再発した場合、治療に莫大なお金がかかるだろうから、私はなるべく貧乏暮らしをして貯蓄にまわしている。もう少し賃金アップして頂けるとありがたい。
この日の午前中は、厨房のパートさんが少なかったので調理場に立った。スープを煮込んだり、パスタを茹でたり、料理を盛り付けたり、フルーツをカットしたり、五条先生に出せなかった本物のエッグベネディクトを作ったり。
勤続年数が短い私みたいな社員は、まず現場の経験を色々積まされる。そして一年もすれば、調理、ホールスタッフ、店の清掃業務以外に、新入りのバイトさんの教育も任される。
なんだか就活のブースに来てる学生への説明みたいになってしまった。仕事の話は打ち切り! これでおしまい!