第13章 ハロウィンの花嫁
私はこのとき、ハッと羂索が呪霊操術の使い手である事を思い出した。以前、七海さんから触れた相手の肉体・魂の形を思うがままに変形改造する呪霊がいる話を聞いていた。
その呪霊を羂索が操れるとしたら? 死滅回游は一部の非術師の脳の改造で始まったはず……。まさか!
「無為転変」
羂索の声が響いて私は咄嗟に防御に回った。
悟が反転術式を習得した時の話をしてくれた事を思い出す。死に際に呪力の核心を見たと、一切の攻撃をやめて守りに転じたと言っていた。
羂索が魂に触れてきたのを感じて、呪力で必死に守る。通常の術師は魂がどこにあるのか意識していないらしいが、私にはそれが分かった。
愛を有する場所と同じで胸の奥の術式が着火する箇所だ。だけど体全体がねじれたような痛みが全身に走る。