第13章 ハロウィンの花嫁
結界術で作り上げたブラックホールのような穴が広がっていく。
これは勘だけど、羂索はこの中に私を閉じ込めておくつもりなんだろう。
「悟は私を見つけてくれる。どこにいても。小さい頃からそうだった」
羂索を鷹のような目で睨みつけると、少し狼狽したのかギリっと歯軋りを鳴らした。だけど、一呼吸おくと再び私を見くびるようにして、フンッと鼻で笑った。
「馬鹿げてるね。でも君の強気なところはなかなか気に入ったよ。天元を人類と同化させ新世界を作ったのち、私の妻にしてやってもいい」
「は?」
「五条悟の封印を解くつもりはないし生涯一人ぼっちは寂しいだろう。夏油傑の体で抱いてあげようじゃないか」
「そんな事をすれば間違いなく私は自己崩壊して自爆する。オマエも道連れに」
「私の事を愛せば問題ないだろう? その愛ってやつを奪い取ってみせるよ。五条悟を完全に君の中から消してやる」
「どういう意味? そんなこと出来やしない」
「さぁーどうだろうね。私は愛なんて興味ないが、君は無性に手に入れたくなった。一生私に尽くしてもらおうじゃないか。死滅回游が終わるまでじっとおとなしく待っていなさい。全て終わったら呼び戻すよ。今とは別人の状態でね」