第13章 ハロウィンの花嫁
*
獄門疆を携えた羂索を見つけたのは木枯らしが吹き荒れる誰もいない草原の地だった。
私は羂索と対面し、悟を助けに来たと告げ、足を踏ん張り戦闘体勢に入る。手の指でデルタの掌印を結んだ。赤い光が頭の周囲をぐるりと覆う。
「羂索、お前だけは絶対に許さない」
――――。
戦闘していたのは15分くらいだろうか。かなり応戦したが実力は足元にも及ばなかった。戦いの経験値が圧倒的に低いのが致命的だった。
敵の呪力を無限に吸収出来るとはいうもののここまで大量の呪力を奪い取ったことがなくて、脳内は呪力で圧迫され、頭全体が締め付けられるように痛い。
そして脳の容量の限界からか記憶の一部が消失していってるような気がする。
ママとの思い出があまりないのも術式の後遺症だったのかと今更ながら気づく。