第13章 ハロウィンの花嫁
スマホを置いてドレスに着替えようと準備していると、ピコンとLINEの通知音が鳴る。立て続けにメッセージが流れた。
すぐ戻るからさ、ちゃーんとそこで待っててね
それとやっぱり伝えとくよ
君を愛してる
待ってて万愛
心臓がきゅうっと摘まれたみたいに痛い。私も愛してるって送ろうと文字を打ち込んだ。
だけど送信するのをやめた。
この想いは文字じゃなく自分の口で伝えたい。悟もきっとそれを聞きたくて戻ってくるに違いない。打とうとしていた愛してるの文字の代わりにひとこと返信した。
『仮装して待ってる。ずっとこの姿で待ってるから無事に戻ってきて』
それはすぐに既読がついたけれど、それっきり返事はなかった。帳の中に入ったのかもしれない。
悟が戻ってきたら真っ先に言おうと思う。子供の頃からずっと好きだったって。悟と結婚したいと思ってるって。