第13章 ハロウィンの花嫁
仮サイズのちょっと大きめのウェディングドレスを着て待った。どこかの国のお姫様にでもなったみたいだ。
煌びやかで美しい真っ白なドレス。天国のママにも見せたかったな。
このドレスごと悟の胸に飛び込んで愛を伝えようと準備して彼を待った。
だけど……悟はいつまでたっても戻ってこなかった。
時計の針だけが進んでいって、気付けば私はウェディングドレスを着たままベッドの上で膝を丸めて眠っていた。
薄明るい光が窓から差し込んでいて、カーテンを開けると太陽が昇っている。
悟からは何の連絡も来ていない。そんなに手こずる強い敵なんだろうか。あの百鬼夜行の時でさえ、半日もかからなかったのに。
……なんだかすごく嫌な予感がする。
悟のメモ。
ウェディングドレス。
LINEのメッセージ。
その全てがなぜか不安要素となって私の胸を押し潰す。