第13章 ハロウィンの花嫁
「この間も七海がタイプだとか言って、やけに気持ちこもってなかった?」
「それは術式を制御するために言ってるの。知ってるでしょ」
「僕のことは好きとか愛してるとかぜーんぜん言わないじゃん」
「それを言っちゃうとコントロールが難しいからだよ。拗ねないで」
「んじゃ僕の真横で一生七海が好きって言い続けんの? そんなの聞きたくないね」
空気がしんと静まり返る。
私だってほんとは悟が好きだって、思い切り愛してるって言いたい。
でもこんな重たい感情を声に出して、術式が誤作動を起こさないか心配なのだ。