第12章 ファーストキス
「ほんとにごめん、悟……」
「謝らなくていいよ。僕は怒ってんの。酷い目にあわされたのは万愛の方だってね!」
なんも心配いらないよって言って、優しく抱きしめられた。
「この件は僕に任せて。万愛はおうちで僕のスイーツでも作ってて」
「……うん……ありがと悟」
こんな風に私を守ってくれる悟のことを愛してる。
普段は適当なこと言ったりやったりしてふざけてる事も多いけど、ここぞって時に頼りになって、揺るぎなくて、強い。
だけど私がこの好きっていう気持ちを前に出すと、醜い感情が噴き出て、術式が発動してとんでもない事が起きるのだと知った。
それで悟のことを思うのが、少し怖くなった。