第12章 ファーストキス
呪力が視覚に働きかけたのか、その写真は裸体の二人がベッドで眠るものだったけど、顔だけすげ替えた精巧なフェイク写真だとわかった。そして質問される。
「これでも五条さんが好き? 今、この場で別れるなら無傷で帰してあげる」
口が勝手に開いた。怖いくらい自動的に。
「好き」
「馬鹿な女。金もたんまり渡すって言ってんのに」
「好きで好きで怖いくらい」
「3人に襲わせる。恥ずかしい目にあわせてやる」
「私にも彼にも一切近寄らないで」
体の中で術式が発動したのがわかった。
好きと思ったとたんに心臓にドクンと熱がこもる。
周りにいた男や主犯の女の呪力をどんどん吸い取って、それが脳に蓄積されていく。