第12章 ファーストキス
成長しても術式が使えなかった私は、呪霊を祓うことはおろか、帳すら降ろせなかったので、非術師と変わらない大学生活を送っていた。
悟は23才で、その頃出張が多くて国内各地を飛び回って忙しくしていた。
強い術師の卵を見つけたって言っては地方までスカウトしに行き、彼にしか出来ない呪霊跋除をこなす日々。
そんなある日、インターンの話があると大学から私に呼び出しがかかり、その場所に出向いてみると女の人がいて、突然私は知らない人たちに拉致された。
女は政治家の娘らしく、私を呼び出す目的で大学関係者に声をかけたようだ。
呪術界と政界は何かと関わりが深い。呪霊発生による国内の被害報告やそれに伴う国家予算の確保、その他もろもろ。