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【呪術廻戦】獄門疆から君のもとへ〜五条悟〜

第12章 ファーストキス


 一目で恋に落ちるような燃え盛る愛もあるのだろうけど、私が自覚した愛は気付いたらそっと静かに側にあるものだった。

 ちなみにこの蕁麻疹が出る体質は、第二次性徴を終えると自然に治った。

 後になって思えば、これも術式を確立するための過程だったのかもしれない。自分の内側にある感情を自覚してうまくコントロールするための……。






 ――だけどそんな訓練をしないまま、私は歳を重ねて、2013年、19歳の時、ある事件が起こった。

 私の人生のシナリオには、節目節目で危険な目に合うっていうイベントが組みこまれているんだろうか?
 
 これまで一度も使えたことのなかった術式が初めて発動した。

 多分ママが亡くなったあの時も、私は愛するママと自分を守るため無意識に術式を使った。呪力が記憶を圧迫して思い出せなかっただけで。

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