第12章 ファーストキス
目を開けるとそのまま抱き寄せられて、腕の中に閉じ込められる。
悟の胸から心音がドクンドクンと伝わってきて、それが心地よくて自然とすり寄っていた。
安心する。やっぱりお日さまみたいなぬくもりを悟の奥から感じる。
突然悟が、あ……って何か思い出したように声を出した。何事かと顔を上げる。
「キスして蕁麻疹でた時のこと考えてなかったな……そんときは硝子に診てもらうか」
「えっ、やだよ。なんて説明するの」
「そのまんまだけど」
「恥ずかしすぎる! 悟に拒絶反応は出ない。蕁麻疹なんか出ない!」
「ってことはつまり……万愛は僕が好きってこと?」
「そう……なります」
答えてから腕の中ではにかむと、悟は嬉しそうにして私をぎゅううっと強く抱きしめた。
ちょっと痛いと感じるくらいに。