第12章 ファーストキス

　直ぐに言い出せなくて、躊躇してる私を見たのか悟が先に口火を切った。

「あー年齢的なこと？」

「ううん違う。もっと重要」

「んだよ、他に気になる男がいる？　って事はないよなー」

「それは悟がガードしてたじゃん」

「……まぁ、そうだな」
　
　二人揃ってクスって声が漏れる。

　私の周りの男子をちょこちょこ気にしてたのはやっぱりそういう事だったかと可笑しくなる。本音が言いやすくなってこの流れで思いを告げた。
　
「私、術式が使えないじゃん……。こんな彼女じゃ悟を守れない」

「ククッ、本気で言ってる？　守る必要ないでしょ。僕最強ね？」

　茜色の空に向かって悟は明るく言い放った。