第11章 硝子
別に私は五条の恋愛はどうだっていいけど、こんな五条はなかなか見れないからもう少し遊んでみた。
「手遅れになる前に告れよ。万愛ちゃんモテそうだぞー。これが私からの助言だ」
「だから、なんでそーなるんだよ」
「万愛ちゃんも五条のことまんざらでもなさそうじゃん」
「四つも下のガキなんてまっぴらごめんだ。中1とかロリコンかよ」
夏油がすかさず私に加勢した。
「十分、悟の恋愛対象だろ。万愛ちゃんの胸を見てるくらいだしね」
「俺は術式を見てんだよ。心臓んとこに熱が見えんの。傑と一緒にすんな」
「はいはい、そうだったね」
夏油は肩をすくめてそれ以上は何も言わなかった。無自覚な恋を覚醒させてやろうとでも思ったんだろうな。
男の友情ってやつだ。……いや、訂正。善人の顔して3割は五条をいじっているに違いない。