第11章 硝子
「へ?」と思わず聞き返した。万愛ちゃんは五条家が面倒を見ているだけで、血縁関係はないと言う。
だったら今見たものは……!
私も夏油もすぐにピーンと来たよ。
五条は万愛ちゃんをひとりの女の子として大切にしてるって。"好き"なんだろうってね。
だが、残念なことに五条は図体と態度はデカイけど、中身は小学生みたいなクソガキだ。
万愛ちゃんに対して無自覚な恋愛感情を拗らせていた。
それが顕著になったのが万愛ちゃんが中1になったあたり。
万愛ちゃんは私や夏油にもよく懐いていて、高専の寮に遊びに来てはゲームしたり勉強したりしていたのだが、この一年で随分と大人っぽくなった。
誘拐されないようにしなよーって心配になるくらいの顔立ちやスタイルで、こんなの放っておいたら、あっという間に彼氏が出来るだろう。