第11章 硝子
【硝子side】
初めて万愛ちゃんと会ったのは私が高専1年の夏だった。
強い日差しが燦々と降り注ぐ高専に、五条が万愛ちゃんを連れてきた。紹介するって言って。
頭に呪力がこもるという話を聞いて、会ってみたいと私が言ったのがきっかけだ。その時彼女はまだ小学6年生だった。
てっきり万愛ちゃんは五条の妹かと思った。それは顔立ちや髪の色やすらっとした体型が五条に近いからっていうのもあったけど、それだけが理由じゃない。
五条が大切にしてるっていうのがはっきり見て取れたからだ。
私や夏油に見せる顔とはまるで違う。五条にこんな一面があるのかと驚いたのなんのって……。