第11章 硝子
混乱を避けるために『呪術廻戦』の事は言わなかったけど、パラレルワールドが存在していることを伝え、封印されている間に起きた出来事や死滅回游について、僕が大まかに把握していることを説明した。
獄門疆に戻った後、赤い光に包まれていて、ワープみたいに抜け出すことが出来たって事も。
「んで、ここに来たってわけか」
「硝子に相談したい事があってね。その前にひとつ聞きたいんだけど……万愛から連絡来てない?」
彼女の名前を出した途端、硝子はあからさまに表情を曇らせた。僕から目を逸らし眉を寄せ、いかにも言いづらそうな顔をしている。
「そのことだが五条……落ち着いて聞けよ」
「僕はいつだって落ち着いてるよ」
こういう姿勢で臨む時の僕は決して引かないことを硝子は知ってる。