第10章 本当の出会い
だから嫌になった。きっと成長が遅いのだ。背が急にぐんと高くなる時期があるように私にもいつかそういう日がくる!
そう思って呪術はやらずに遊んだ。五条の敷地内で悟を見かけた時は声をかけた。一緒に遊ぼうって。
悟はいつもトレーナーのポケットに手を突っ込んで、つまらなそうな顔して歩いていた。
ゲームしてもクソって不機嫌だし、笑ったりはしゃいだりする姿をほとんど見ない。
さみしんぼみたいに私には見えて、遊ぼうって誘ったら喜ぶかなぁって思ったのだ。
だけど悟は、私が隠れんぼしよって言っても面倒臭そうな顔してた。しかも、えらそーで口が悪い。
はないちもんめしたら、一番最後まで"あの子がほしい"の名前に呼ばれないタイプの子だ。
すぐ口喧嘩になる。それでもなんでかな……。嫌いにはならなかった。
悟から時々温かなお日さまみたいなぬくもりがするから。それは目に見えないんだけど伝わってくる。悟の奥の方から。