第10章 本当の出会い
派手にやりすぎたかもな。そーいやここ、帳の外だったわ。ま、周りはなんもねえからセーフだろ。
万愛を安全なところまで運んで座らせた。怪我は肘のすり傷程度だ。よかった。
まだ泣いてるから隣に座ってゴシゴシと頭を撫でてやると、万愛の涙は少し落ち着いてきた。
「悟、悟……万愛を見つけたの? 菜の花畑じゃなかったのに」
「俺を誰だと思ってんだよ。どこにいても見つけんだよ!……けどあんまり遠くはなしな。万愛は隠れんぼじょーずだからさ、手間取んじゃん?」
俺なりに精一杯優しいであろう言葉をかけた。それが通じたのかはわかんねーけど、万愛はいつもの幸せそうな笑みを見せた。
「助けてくれてありがとう」
そして、あろうことかこの俺の首にぎゅうっと腕を巻き付けてきた。