第10章 本当の出会い
無意識に俺は呪詛師の前に姿を現していた。自分以外の命を守るために呪術を使おうと思ったのは初めてだった。
「おい、万愛に触れんな、雑魚が」
呪詛師のひとりが俺が五条悟だってことに気付いたみたいだ。
「げ、六眼のガキ。いつのまに! けどこれは一石二鳥じゃねーか? こっちには人質いるし有利じゃねーか?」
「女のガキだけでいい。標的を変えるな」
仲間が返答して完全にキレた。
「舐めんなよ、俺がいんのに万愛に手出し出来るわけねーだろ!」
俺は万愛に駆け寄るのと同時に、呪力で一気に廃屋の天井を吹き飛ばした。
万愛の背中を掴んで無下限の中に入れる。落ちてきた瓦礫がピタッと頭の上で止まる。
それから周りの壁も全て破壊して呪詛師たちはその下敷きになった。運が良けりゃ生きてるだろう。