第3章 下着
「僕も加齢臭、気をつけないとね。イメージダウンは避けられないでしょ」
「五条先生はきっと一生、加齢臭なんてしませんよ」
「なんで?」
「だって、シルク配合の高級ボディソープとかで体洗ってるんでしょ? 厳選素材を使ったバランスいい食生活して適度な運動もして、いい女抱いて、ストレスも欲もため混まないような人は、加齢臭なんか出ませんよ」
「まるで見てるみたいに言うね」
否定しないんですね。はいはい、羨ましい限りです。さっきから五条先生は金魚の糞みたいに私の後についてくる。
それはなんだか雛鳥みたいで可愛くもあるんだけど、正直邪魔でもあり……。
「先生、そんな大きな体で付いてこられるとキッチン狭いし、私、動きにくいんだけどな」
「何か手伝える事はないかと思ってね」
「ありがとう。でも手伝いはいいから先生は座ってニュースでも見てて。何か大事な情報が流れるかもしれないでしょ」
「ニュースならもう見たよ。一日中お天気で傘はいらないってさ。星占いランキングは堂々の3位」
「……見るとこちがーう!」
なんていうか、ずっこけそうになる。ふざけてんのかな? 私の返しにニコニコ笑ってるけど、この状況下で余裕すぎない?