第9章 さよなら五条先生
この気持ちは実らないけど伝えたい。
恋人がいてもここであなたに芽生えた気持ちを最後に言いたい。そんな衝動が湧き上がる。
思いっきり口をあけて穴に向かって声を上げた。
「五条先生!! 私、あなたのことが…………」
好きでした、と言えなかった。
肝心な部分が声にならなかった。言えば本人に届いたかもしれないけど、恋人とこれから幸せになろうっていうのに、私の好きは全くもって必要ない。
さよなら五条先生。
これでよかった。また元に戻るだけ。ひとりでオタクするだけ。だから何も悲しむことなんかない。
毎週、本誌で呪術廻戦を読めばいい。五条先生もそのうち登場するだろう。
そう思っても涙が溢れて止まらない。胸の真ん中が五条先生の形にへこんでしまったみたいだ。
恋愛感情を持ったら別れる時さみしいよって言われてたのに、わかってたのにこうなった。自業自得。