第9章 さよなら五条先生
五条先生が何かをとても大切にしているのは感じていた。それはあっちの世界にいる恋人なんだろうということも薄々。
だけどひょっとしたら私のことも……なんてどこかで期待しちゃってた。いい女を沢山見てきてるであろう五条悟がそんなわけないのに。
「別れ際に優しさは不要だよ。女慣れしてるなら分かるでしょ。ズバッと私は遊び半分だったって言えばいい」
「落ち着いて聞いて。君の脳細胞が破壊されるといけないから僕も慎重になってんの」
「もう破壊された。さよなら五条先生。最後にシークレットな情報をありがとう。公式から出るまでどこにも言わないから安心して」
その時、赤い光がすぅっと細くなった。黒い闇が小さくなっていってる。