第9章 さよなら五条先生
彼の頬に触れたくて手を伸ばした。その時だ。
ズキッ!!
突然こめかみに訴えかけるような激しい痛みが走った。と同時に割れんばかりの頭痛も。
伸ばしかけていた手を引っ込めて、こめかみを抑える。寝る前に発症したあの感覚に似ている。
咄嗟にクローゼットを見ると室内の光に混じって見えにくいけど微かに赤い光が漏れ出ていた。
だんだん光の線が太くなっている。ガタンと何かがぶつかるような音が聞こえた。
その音には五条先生も気がついたみたいで、私と共にクローゼットに目をやる。二人でベッドを降りてその場所に近付いた。
先生がクローゼットを開けて驚愕した。