第9章 さよなら五条先生
おぶられながら声をかける。
「ジョー」
「なに」
「来てくれなかったら私危なかった。守ってくれてありがとう。でも心配いらないって言ったのに、どうして来たの?……どうしてここがわかったの?」
「スミレさんの店の女の子情報だよ」
「どういうこと」
五条先生がお店に頻繁に行ってた目的は、田丸の情報を仕入れるためだったと言う。
田丸はスミレさんの勤めるクラブの常連で、元カノを手に入れるって話をお店の女の子にしていたらしい。
以前、田丸がアパートの近くで私にちょっかいを出して困っているところを、スミレさんに見られた事がある。
その時、私は関係を聞かれて同僚で元彼だとスミレさんに軽く説明した。