第9章 さよなら五条先生
「無茶しないでよ千愛、怪我はない?」
「……うん……大丈夫。ごめん……」
「怖かったでしょ、慣れないことしないの」
「だって……私あなたが死んじゃうと思ったから」
五条先生はしゃがみこんで私に目線を合わせて頭の上にポンと手を置いた。
「ありがとね。でもだーいじょうぶ。僕、最強だから」
「そう……だったね」
例え呪術師じゃなくても、そこにいるだけで最強感がある。それは呪術廻戦で五条悟が登場すると安心する感覚に似てると思う。
「立てる?」
「うん……」
五条先生に手を差し伸べられて、その手を掴んで立ち上がる。繋いだ大きな手が今日も温かい。
五条先生は、私が歩きにくそうにしているのを見ておぶってくれた。近くに車を待たせているらしい。
恥ずかしかったけど、すぐそこだっていうから甘えた。